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母性型経営

「母性型経営」第1回 勉強会の様子

日時 2010年5月12日(水曜)18時〜20時
場所 おくごう(香川県木田郡三木町)
主宰者 株式会社 人間科学研究所 代表取締役 池田弘子

第一回母性型勉強会より(池田弘子講話内容抜粋)

人間というのは、原則はどんなに時代が変わっても変わらないものがあるということ。
それは人が成長していくには、ちょうど草や木を育てていくときに、土壌がとても大事ですよね。

土壌がいいと、そこにいい木を植えたら基礎がいいから芽が育っていくけれど、土壌が悪いと、ひょっとしたら、どんなにいい肥料をやっても、なかなか実も付かないし花も咲かないし、ということはよく言われていることです。

根っこは一番大事です。

人間もやはり土壌に当たる部分、これはやはり、実は「安心感」という土壌。

人間の場合は、安心感というものがあって、初めて人は外に向かって意欲が出てくる。
あるいはチャレンジできる、あるいは困難なことがあったときも、それに向かって突き進んでいける、そういうベースですね。

ういったものが無意識領域の中に、大体3歳くらいまでに培われるよというのは、よく子育ての原則の中で言われていることですね。
一般的には三つ子の魂百までと言われます。

3歳くらいまでに脳の中でぴしっ、ぴしっとつながるときの安心感。
これを育むのは、はやり母親。母親の胎内から私たちは生まれて落ちるといいますか、体内から生れ落ちるんですね。

そのときから実は不安が始まるんですね。
世の中で思い通りにならない、厳しい世の中に向かっていく、落ちていったら上っていくしかないんです。
やはり不安な状態で、母親の胎内は最高の安心感なんですけど、一度出たとたんに、世の中はいろんな矛盾に満ちている、思い通りにいかないということをすでに赤ちゃんのときから感じます。
これを育んでいく、安心感をつくっていくのはやはり、実は母親の役割。
これがちょうど土壌に当たるのかなと思います。

安心感があって、人は能力開発ができるんだということを私はこの20年間、人材育成に携わってしみじみ感じました。

そういうふうに思ってみると、逆に今の世の中はどうでしょうか。

安心の反対。
不安、先行きの見えない不安。
経済もそうです。
いろいろなことが、先が見えない中で進歩していく。
進歩っていうか先に向かっていきます。
それについていけない人は取り残される。

そして両極端になりますね。
今よく言われている格差社会ですね。
これがどんどんひどくなります。
落ち込んでいく人はどんどん落ち込んでいく。
這い上がってくる人は這い上がってくる。
これはもっと落差があって、厳しくなりそうです。
そんな中で、不安を持たないで自分なりにきちんと生きていくということが、多分必要とされているんですね。

それから親があると子は、普通に育つと親は子を見捨てないですよね。
今は捨てています。
だからおかしいんです。
親はどんな子であっても、親の思い通りにいかない子であっても、かつては可愛い、手がかかる子ほど可愛いといわれていました。

でも今は手がかかる子はうるさいです。
面倒です。
手はかけたくないです。
自分の思い通りにならない子は。

そのまんま組織、会社に引き継がれていっています。
面倒なんです。
自分のところに必要な人しかいらないんです。
だから簡単にリストラしますでしょ。
真意はそこにあるんです。
根っこはそこです。
親は子をどんなときも、少々難を言うとはぐれていく、茶髪にする。もっとちゃんと勉強していい大学にいって、いい会社に入ってほしい、いろいろあるんだけど、全部外れていく、という子ほど可愛いくて、絶対に見捨てなかったです。

やはりどんな子でも見捨てないという親心があって、初めて子は育ちますね、
ちゃんと。

一見道はそれても、親が大丈夫だよと、最後は親が責任を取ります。

今はとりません。
逃げます。
そうされると子どもの方は今度はどうなるかとういと、かつてはどうだったでしょうか。

親は子どもをどんなことがあっても見捨てないんだって安心感があったときに、子どもは放っておいても子は親孝行をします。

ところが、これも親孝行が心からできにくい状況になってきています。

でも親孝行は相互の関係なので、子どもは親が捨てなかったら絶対に親孝行をします。
そして安心感があるじゃないですか、お互いに。

すべておおもとは親子の関係だということが、私は不登校の子どもと接していると本当によく分かります。

親はこの鏡、子は親の鏡。

本当にその通りになるんだということが分ります。

こういう子育ての原点に立ち返る、人間とはなんだろうかということ、父親の役割、母親の役割は何だろうかと、そういうことをもう一度やっていく必要があるなと強く感じます。

 経済が落ち込んでいるときに、組織をきちんとまとめないといけないときは、どうしても母性の原理がバランスを取るために必要なんですね。

それが母性の原理なんですが、これは一人の男性の中に全部備わっているかというと、なかなかそうはいきません。

もちろん子育ても男性はほとんどしませんし、イメージもわきませんし、人育てといっても、そこはすとんと抜けますね。

あとから教育という知識で教えていったりしますよね。

せいぜいできてコーチング的なことですよね。

コーチングにも限界がありますよね。

なぜなら、こうすればああなるということはあり得ません。

なのに、こうすればああなりますよ、このような質問を投げかけてください、そしたら部下はこう答えます。

こういうのがコーチングです。

これはアメリカ的な発想ですね。

すでに理論ありきです。

日本人は理論ありきじゃない民族ですね。
違うんですね。
どちらかというと、情の民族ですね。

そうなると既成のこうあるべきという以前の感覚、感性とか感情とかいわれているものですね。
そこは一人一人の感情というのは、多分優秀なリーダーシップをとる人でもなかなか難しいですね。
部下一人一人の感情をいつもキャッチするのってどうでしょうか。
難しいと思います。

ところが、歴史をひも解いてみたときに、一番生きるか死ぬかを味わってきたのは戦国武将たちです。
戦国武将の生き抜いてきた人の影には、必ず素晴らしい女性、母性がそばに居ました。

必ずリーダーを補佐する女房役、今なら横文字でマネージャー。

全体が見られてさっと察することができる。
部下の気持ちが分る。
そういう女房役が存在していたから、安心してリーダーは出て行けたんですね。

ところが今はどうでしょうか。
家庭でも妻は夫をあまり支えなくなってきました。
組織の中に男性だけが入っていますから、そこの微妙な感覚が分らないですね。
なのでやはり、うまくいっていると思っても、突然すとんと落ちる。
こういうことを今、誰も支えてくれない。

社長は孤独です、孤独に耐えるのが社長です、当たり前のように言われていました。
でも実は、あれは違うと思います。

社長で優秀で乗り切ってきた人は、必ずそばにそういう補佐が付いています。
必ずサポートしてくれます。

なぜなら人間はそんなに完璧じゃないからです。

一人で全部すべてをやりきれないです。

専門職になると私は全部一番、全部やれると思い込んでいる。

でもその専門になるときは、その人をサポートする目に見えないシャドーワーク、汚い仕事やつらい仕事をやっている人がいるおかげで、その人は立てるんですね。
そういう存在ですね。

お互いが必要としている。
お互いが必要。

男性と女性も全く違う性だから、お互いにないところを補い合っている。
父親と母親もそうですね。

厳しい父親と優しい母親。

今は残念ながら、家庭の中は厳しい母親と優しい父親になっています。
反対になっています。
ちょっとおかしいですね。
うまくはなかなか育ちません。

企業もそうですね。
利益を追求するところですから、厳しさを乗り越えていかないといけません。
母親的な受け止める優しさだけでは難しい。
やはり相反するものがうまくその中に、家庭の中にも組織の中にも取り入れていくべきだと。
これは全く日本的な発想だと私は思います。
日本人が培ってきたものなんですね。
これに西洋の論理で受け入れてしまったので、うまくいくわけがない。
だからギクシャクするんですね。
もう一度本当に、江戸時代に商売をやっていたころの、一番上に立つ人がいて番頭さんがいて、手代がいてと、ずっと縦社会できて、下は奉公しながら給料をもらいながら修行をしてのれんわけをしてというのがありましたよね。

1本筋が通っていましたよね。

そういったことをもう一度構築する必要があるんじゃないかなということがあるんじゃないかと思います。

ですので、母性方原理はまず、受け止めていける母性の原理ですね。

男性の方でしたら、自分の中に母性型がないなと思ったら、母性型に代わる人を自分のそばにおいたらいい。

そしたらうまくいく。
女性でも男性的な人がいます。

全く男っぽい人。
見かけは女性でも男性的な人。
逆もあります。
見た目は男性なんだけど女性的という人。
そして両方を併せ持っている人。
4つのパターンがあります。
自分はどのパターンかな、ということをみながら組み合わせを考えていく必要があると思うんですよね。

西洋型のような一方的な理論をわーっとやって、だれかれ関係なく、上から下へ押し付けるというのはもう難しい。

私たちは先祖たちが培ってきた素晴らしい人育て、人づくりのシステムをもう一度呼び戻す必要があると、私はずっと思っています。
まずは母性型から始める。失いつつある母性型をいろんなところに取り入れていきましょう。

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