ホーム > 人間科学研究所とは > 「やる気」のメカニズムとは

人間科学研究所とは

やる気のメカニズム~人はどんな時に「やる気」になるのか?

結論から言えば、人は自分が好きでやることは「気がついたらしてた」ということです。
もっといえば始めに「欲求ありき」なのです。

私は社会人第一歩はアナウンサーでした。
周りからよく聞かれました。「どんな勉強をしたらアナウンサーになれるの?」でも、私は気がついたらアナウンサーになっていたのです。

「そんなバカな」とお思いでしょうが、実際そうだったのです。

私はそれまでアナウンサーの格別勉強はしていませんでした。
ならば「運が良かったのですね」「ええ、まあ」とお茶を濁すしかないのですが。

しかし、それまで格別の勉強はしなかったけれど、アナウンサー試験という情報が来たとき、「あっ、アナウンサーって面白そう」と思ったのです。

つまりそこで私の中に「欲求」が芽生えたのです。
そして、「アナウンサーになりたい!という「意志」が自分自身の体内から湧き上がってきたのです。

だから、すぐ行動を起こし、書類手続きをし、集中的に短期間の勉強をしました。この時の勉強は自分の意志なので努力も苦になりません。

よく「私はこうして◯◯を達成した」という本がベストセラーになります。しかし、それらは達成した人が後から振り返り「自分の尺度で分析し、その結果を理論化したものです。
まさに今はやりの解剖学的分析主義というものです。
運がいいということは運をつかむ欲求や意志が働いていたということなのです。
目標を持つことは大切です。しかし「やらなくてなならない」という場合の努力は義務感なので「努力逆転の法則」が働き自らの「欲求」や「意志」が萎んでしまうのです。

子供の頃を思い出してください。

自分が泳げない時「目の前をスイスイ泳いでいる子を見て「泳げるようになるには明確な目標を持って取り組めばきっと泳げるようになる」と思ったでしょうか?

子供はそういう論理的な言葉は持ち合わせていません。泳ぎたいという欲求がからだの中から湧き上がり、それをたまたま言葉にしてみたら
「泳ぎたい」という言葉になっただけなのです。

「泳がなくてはならない」の中には欲求はなく、泳ぐという知識や情報、それに第三者からの「泳げた方が将来いいから」という言葉に振り回されているに過ぎないのです。

仕事も同じです。
「もっとやる気をだして仕事能力を上げたい」という時
それは、資格を取ればとか、◯◯が出来れば自己実現する。
目標を持とう、とかさらにいえば会社が実施する◯◯教育によって培われるものではありません。
やる気の原点は個人の「やりたい」という欲求と意志から出発しているのです。

こんな当たり前の人間のやる気のメカニズムが職場や学校で機能しなくなってきているのです。知識偏重教育の弊害です。

こうすればこうなるというあらゆるものの答えがインターネットや知識教育から洪水のように押し寄せ、気がつけばその情報に洗脳されてしまうのです。

自分が何をしたいのか分からない

自分が何を感じているのかわからない。

自分は何に感動するのかわからない・・・・

こんな状態で仕事も人生もうまくいく訳がありません。
物事の達成には、からだの中から湧き上がる欲求が起こればすぐに「動いてみる」「取り組んでみる」という習慣を作り上げることなのです。

やる気のメカニズムをつくるには、「自分の内的要求」とそれを貫く「意志」が絶対条件として必要です。

つまり、個人のパーソナリティー(もともとの素質)が大切なのです。

組織の活性化は目標管理とか評価制度以前に個人のパーソナリティに着目して始めて動き出すのです。